理工系人材の海外流出が急速に増えるなか、金銭面と非金銭面でメリットを強化して離職率を下げる必要があるという分析が出されました。
韓国銀行は、3日にまとめた報告書で、「理工系は未来成長産業の中核を担うが、韓国では優秀な人材が医学部に集中し、理工系を選んでも海外に進出する傾向がある」と指摘しました。
韓国では、上位層の受験生の医学部志向が強まり、科学や工学系人材の不足が社会問題となっています。
実際、理工系の博士号を取得してアメリカで勤務する韓国人は、2010年の9000人から2021年には1万8000人へと2倍に増えました。
さらに、韓国銀行の調査によりますと、国内で働く理工系人材の42.9%が、今後3年以内に海外転職を検討しているということです。
その理由としては、「年俸など金銭的な要因」が66.7%で最も多く、「研究環境」など非金銭的な要因も大きな割合を占めました。
とくに、修士号取得者は昇進の機会と研究環境を、博士号取得者は雇用安定性と子どもの教育環境を重視していました。
韓国銀行は、「市場価値に見合った柔軟な賃金体系の導入とともに、海外研究機関との交流や先端インフラへのアクセス性の向上が必要だ」と提言しました。