ソウル市が麻浦(マポ)区と瑞草(ソチョ)区の一帯で、韓国で初となる電動キックボードの通行制限を試験的に行ったところ、市民の10人に7人から8人が、歩行環境の改善や衝突リスクの減少などの効果を実感したことが分かりました。
ソウル市は、ことし5月から麻浦区と瑞草区のそれぞれ1.3キロと2.3キロの2区間で、昼12時から午後11時まで電動キックボードなどのパーソナルモビリティの通行を禁止する「キックボードのない通り」を試験導入しています。
ソウル市が8月、これらの地域の18歳から60歳以上の市民500人を対象に、導入後の変化についてアンケート調査を行ったところ、「電動キックボードの通行量が減った」が76.2%、「レンタル電動キックボードの放置が減った」が80.4%、「衝突リスクが減った」が77.2%に上ったほか、69.2%の回答者が「歩行環境が改善した」と答えました。
また、今後、歩行者が多い地域などへ拡大することに98.4%が賛成し、「電動キックボードの通行禁止で不便を感じる」と答えた人は2.6%にとどまりました。
ここ数年間、電動キックボードによる事故の急増が指摘され続けてきましたが、最近、免許を持っていない中学生が2人乗りキックボードに乗って歩道を走っていたところ、ぶつかりそうになった娘をかばった母親がキックボードに衝突して死亡する事故が発生し、世論の不満が高まっています。
「キックボードのない通り」で通行が制限されるのは、道路交通法上の電動キックボードや電動バランススクーター、電動機の力だけで動く自転車などです。
ソウル市は今後、市民の意識調査などを経て、警察と連携して取り締まりや通行禁止区間の拡大などの運営方針を検討する計画です。