国防情報本部は、「北韓は、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が決断すれば、短期間で核実験が可能だ」という見方を示しました。
国防情報本部は5日、国会情報委員会の国政監査で「金委員長が決断すれば、咸鏡北道(ハムギョンブクド)吉州郡(キルジュグン)豊渓里(プンゲリ)にある核実験場の3番坑道を利用した核実験が短期間で可能だ」と報告しました。
豊渓里核実験場は、2017年の6回目の核実験後に閉鎖されましたが、最近になって一部の坑道が復旧された兆候が確認されています。
国防情報本部は、「北韓が核能力の高度化と武力保有を憲法に明記し、国際社会にこれを事実上容認させようとしている」と分析しました。
また、寧辺(ヨンビョン)などでウラン濃縮能力を拡大することで、複数の核弾頭を同時に生産できる基盤を整備したとみています。
寧辺は、北韓の核プログラムの中心地で、プルトニウム再処理とウラン濃縮の両方が可能な主要施設として知られています。
さらに、北韓は、固体燃料を使用する長距離巡航ミサイルや4種類の短距離弾道ミサイル(SRBM)、600ミリ多連装ロケット砲などを近く実戦配備する見通しで、中距離ミサイル分野では、極超音速巡航ミサイルの開発や、大陸間弾道ミサイル(ICBM)は、アメリカ本土に到達可能な1万3千キロ以上の飛行能力を可能にしたと評価しました。
国防情報本部はまた、改良型「R級」潜水艦や原子力潜水艦の開発など、水中発射システムの開発を進めていて、ロシアの技術支援を受けて高解像度偵察衛星の打ち上げ準備も進めていると報告しました。
さらに、「北韓がおととし10月以降、短距離弾道ミサイルおよそ300発をロシアに輸出し、ウクライナ戦争で使用されている」と分析しました。
これは、ロシアに武器を提供し、その見返りとして軍事技術や物資の支援を受ける動きであり、国際社会の制裁網を回避しようとする試みとみられています。