史上最高値を更新していたKOSPI=韓国総合株価指数が、取引時間中に急激に下落し、一時4000ポイントを割り込みました。
韓国株式市場では5日午前9時46分、KOSPIが急激に下落したことを受け、プログラム取引の売り注文の効力を5分間停止するサイドカーが発動されました。
終値は前日より117.32下がって、4004.42ポイントで終えました。
サイドカーとは、株価指数が急激に上昇または、下落した際に、プログラム取引が市場に与える衝撃を抑えるため、自動取引を一定時間停止する制度で、有価証券市場の売りのサイドカーは、KOSPIが前日終値に比べ5%以上下落し、下落した状態が1分間継続した場合に発動されます。
日本の「サーキットブレーカー制度」に似ていますが、先物価格が一定比率以上急変したときに短時間で取引を制限する、韓国特有の仕組みです。
外国人投資家は、寄り付きからわずか1時間半で1兆ウォンを超える大規模な売り越しを記録し、株価下落を主導しました。
前日にも2兆2000億ウォン分を売却し、この4年間で最大の売り規模となりました。
サムスン電子やSKハイニックスなど、半導体大手株が急激に下落し、前日のニューヨーク株式市場で半導体大手のエヌビディアなど、AI=人工知能関連のハイテク株が軒並み下落したことが大きく影響したとみられます。
アメリカのAI関連株の全面安と外国人投資家の売りが重なり、「バブル崩壊」への懸念が広がったことが背景にあります。
また、アメリカの政策金利の引き下げが不透明になったことも投資家心理を冷え込ませました。
今回のサイドカーの発動は、ことしに入って3回目の措置で、売りサイドカーはことし4月以降、およそ7か月ぶりとなります。