韓国の鉄鋼最大手の「ポスコ」の浦項(ポハン)製鉄所で、有毒ガスとみられる物質が漏れ出し、協力会社の労働者1人が死亡、3人がけがをしました。ことしに入って、ポスコ関連の事業所で労働災害で亡くなった人は6人に上っています。
警察とポスコによりますと、5日午前8時50分ごろ、浦項製鉄所で整備作業の準備をしていた作業員4人が突然倒れました。
事故は、工場の外部区域で発生し、現場には有毒ガスが漏れ出していたたとみられています。
救急隊が4人を病院に搬送しましたが、重体となっていた50代の男性1人は死亡し、残る3人もやけどや呼吸器損傷などのけがをして治療を受けています。
全員が協力会社に所属する労働者で、警察と労働当局がガス漏れの経緯を調べています。
ポスコの事業所では重大災害が相次いでいて、ことしだけで製鉄所や建設現場など、ポスコ関連の事業所で6人が労働災害で死亡しています。
ことし7月には、ポスコ系列会社の高速道路工事現場で労働者が機械に巻き込まれて死亡したほか、最近では建設現場などでも相次いで死亡事故が発生しました。
李在明(イ・ジェミョン)大統領は8月の閣議で「未必の故意による殺人に近い」と述べ、免許の取消しや公共入札の制限など、強力な制裁措置を検討するよう指示していました。
ポスコは、社内に安全診断タスクフォースを設け、安全革新計画を打ち出すなど対策を講じていますが、今回の事故で「安全軽視」という批判を免れるのは難しくなりそうです。