韓国空軍のアクロバット飛行チーム「ブラックイーグルス」は、UAE=アラブ首長国連邦のドバイで開かれる航空ショーに参加する計画でしたが、日本側が、独島(トクト)周辺での訓練を問題視して、給油支援を拒否したため、参加が困難になりました。
韓国軍の関係者によりますと、今月5日に出発する予定だったブラックイーグルスは6日にも出発できず、航空ショーへの参加は事実上見送りになったということです。
通常、航空ショーに参加するためには、移動時間を除いても、現地の地形把握や予行練習のための時間が必要で、今回の航空ショーに参加するには、遅くとも8日までには出発しなければならないと韓国軍は判断しています。
韓国軍の関係者によりますと、最近、中東地域で「KF-21」など、韓国製戦闘機への関心が高まり、ドバイの航空ショーに今回初めて参加することになっただけに、韓国軍の内部では、対応策を検討しているということです。
当初、国防部は、ブラックイーグルスが沖縄の自衛隊基地で給油支援を受ける案で日本の防衛省と調整していました。
ブラックイーグルスは、2022年から去年までは海外の航空ショーに参加するため、台湾の高雄にある基地での給油をしていましたが、日本の基地を利用すれば時間と費用を節約できると期待されていました。
しかし、日本側は協議の途中で、給油対象機の「T-50B」が先月28日に独島周辺で通常訓練を行ったことを問題視し、給油を拒否しました。
これについて読売新聞は、APEC=アジア太平洋経済協力会議の首脳会議に出席するために慶州(キョンジュ)を訪れた高市総理大臣が先月30日、李在明(イ・ジェミョン)大統領と初めての会談を行う直前に、給油支援を中止する方針を固めていたと、今月2日、報じています。