ことし初めにウクライナ軍に拘束された北韓軍の捕虜2人が、最近、韓国に行きたいという意思を示したことが分かりました。
ウクライナ代表団は、KBSの取材に対し、「2人の捕虜は国際法に基づいて適切に扱われており、送還の問題は、両国首脳による協議が必要だ」と明らかにしました。
捕虜の2人は、最近、韓国のドキュメンタリー制作者との面談で「韓国に必ず連れて行ってほしい」と話し、明確な亡命の意思を伝えたということです。
当初は1人だけが亡命の意思を示していましたが、今回は2人とも同じ意思を示したということです。
現地の関係者によりますと、2人は、ウクライナの首都近郊にある収容施設で生活していて、身体的には比較的健康なものの、心理的に不安定な状態で、今でも「生活総和」を続けているということです。
「生活総和」とは、北韓体制への忠誠を誓い、自分自身や互いを批判し合う強制的な反省会で、北韓で住民らに対する洗脳や相互監視を目的に行われています。
この2人の存在は、ウクライナのゼレンスキー大統領がことし1月、旧ツイッターの「X」に投稿したことで初めて明らかになりました。
ウクライナ当局によりますと、2人はロシア西部のクルスク州で身柄を拘束され、それぞれ2005年生まれと1999年生まれだということです。
韓国政府は、「北韓軍の捕虜は憲法上、大韓民国の国民であり、亡命の意思が確認されれば受け入れる」という従来の立場を維持しています。
ただ、一部では、ウクライナ側がこの問題を韓国の軍事支援と関連づける可能性があるのではないかという指摘も出ています。