オンライン詐欺や人身売買など、国境を越えた犯罪に共同で対応するための国際警察会議が、11日から2日間、ソウルで開かれます。
この会議は、韓国の警察が主導し、ASEAN=東南アジア諸国連合の10か国の警察が加盟する「アセアナポール」と国際刑事警察機構=インターポールが参加する、越境型オンライン詐欺や人身売買への対応作戦の初の対面会合です。
参加各国は、オンライン詐欺やサイバー犯罪など24件の事件と、これを追跡するための情報を共有し、容疑者の検挙や送還など具体的な協力策を協議します。
とくに、証拠が確保された8件の組織的なオンライン詐欺事件については、被害者を救出するための共同対応策も議論される予定です。
最近、東南アジア地域では、オンラインでの求人広告を装って人を誘い込み、監禁したうえでオンライン詐欺などの犯罪に関与させる特殊詐欺拠点の問題が国際社会の主要な懸案となっています。
韓国の警察が国際的な犯罪対策作戦を主導するのは、今回が初めてです。
警察は、犯罪容疑者が取り締まりを避けてほかの国や地域に次々と拠点を移すことを防ぐため、韓国が資金を支援しているインターポールの逃亡犯追跡作戦「インフラシーフ」と連携した共同対応も進める方針です。
先月には、韓国警察が参加して、ベトナムとカンボジアの国境地帯でオンライン詐欺拠点に対する合同作戦が行われ、今月もASEAN=東南アジア諸国連合加盟国の主要国境地域で追加の作戦が予定されています。
韓国警察庁は、「今回の会議を機に、オンライン詐欺や暗号資産犯罪など、新たな越境型犯罪への情報共有と捜査協力体制を一層強化していく」と述べました。