李在明(イ・ジェミョン)政権が、北韓の人権状況を批判する国連総会の北韓人権決議案に共同提案国として参加しました。
革新系の文在寅(ムン・ジェイン)政権が不参加だったのに対し、方針を転換した形です。
韓国は現地時間の12日に公開された国連総会第3委員会の人権決議案に共同提案国として名を連ねました。
「第3委員会」は、国連総会の中で人権や人道問題を扱う委員会で、北韓やミャンマーなど人権状況が深刻な国に対する決議案を毎年採択しています。
今回の決議案には、北韓での政治犯収容所の運営や公開処刑、強制労働など人権侵害の実態を指摘し、国際社会に改善に向けた努力を促す内容が盛り込まれています。法的拘束力はありませんが、国際社会が北韓の人権問題を継続的に提起する象徴的な意味を持っています。
韓国は、2008年から2018年まで共同提案国として参加しましたが、文在寅(ムン・ジェイン)政権だった2019年から2022年までは南北関係への影響を踏まえて参加しませんでした。その後、尹錫悦(ユン・ソンニョル)前政権が発足した2023年に再び参加しました。
李在明政権発足後は初めての参加で、前政権とは異なり、人権問題を外交懸案と切り離して取り組む姿勢がうかがえるという評価もあります。
これに先立ち、国際人権団体や海外の関係者らも韓国政府に対し、共同提案国として参加するよう求める公開書簡を送っていました。
北韓人権決議案は、第3委員会での審議を経て来月中に国連総会の本会議で最終採択される予定です。第3委員会は2005年以降、20年連続で北韓人権決議案を採択しており、2016年からは採決を行わず「コンセンサス(合意)」により採択されました。
北韓は今回も強く反発するとみられます。去年は北韓外務省の報道官名義で「アメリカとその追従勢力が主導する茶番だ」としたうえで、「国家の尊厳と自主権を侵害する政治的挑発だ」と非難しました。