今月11日時点での韓国のウォン相場は、主要国のうちもっとも大幅に値下がりしたことがわかりました。
韓国銀行が13日に発表したところによりますと、ドルに対するウォン相場は9月末の1ドル=1402.9ウォンから、今月11日には1463.3ウォンとウォン安に進み、この期間にウォン相場は対ドルで4.1%下落しました。
同じ期間に大幅な下落を記録した通貨は、日本の円のおよそ4.0%の下落で、他はイギリスのポンドが2.1%、ユーロが1.3%、台湾ドルが1.8%などと下落幅が小幅にとどまっています。
ドルに対するウォン相場が1ドル=1430ウォンまでウォン安が進み、ウォンの価値はアジア通貨危機が発生した1998年以来の水準まで落ち込みました。
韓国銀行は、ウォン安の要因として、アメリカのFRB=連邦準備制度理事会が物価の安定に向け、利下げに慎重な見方を示していることや、円安によるウォンへの下押し圧力、海外証券投資の拡大に伴い、ドルへの両替が増加したことなどを挙げています。
外為市場の専門家は、「心理的抵抗線」とされてきた1500ウォン台突破の可能性が現実味を帯びていると警告しています。ウォン安・ドル高の傾向が長期化した場合、輸入原価の上昇による物価の押し上げ、企業の外貨負担の増加、金融機関の外貨建て借入評価額の上昇が同時に作用し、実体経済と金融システム全般に負担が広がるとの懸念が出ています。