アメリカの投資ファンド、ローンスターと韓国政府の間で13年間続いてきた投資紛争解決国際センター(ICSID)の仲裁判断の取り消し訴訟で、韓国政府が最終的に勝訴しました。これにより、政府は、およそ2億ドル、韓国ウォンでおよそ4000憶ウォンの賠償金を支払う負担も消滅しました。
金民錫(キム・ミンソク)国務総理は18日、ソウルの政府庁舎で緊急記者会見を開き、「政府は、ワシントンの投資紛争解決国際センターから韓国勝訴の決定を受けた」と発表しました。
投資紛争解決国際センターは、世界銀行傘下の国際機関で、加盟国どうしの国際投資紛争などを扱っています。
ローンスターは、2003年に外換(ウェファン)銀行を買収したあと、売却の過程で韓国の金融当局が承認を意図的に遅らせ、損害を受けたとして、2012年におよそ46億8000万ドルの損害賠償を求める仲裁を投資紛争解決国際センターの仲裁判定部に申し立てました。
10年後の2022年8月、仲裁判定部は、ローンスターの主張の一部を認め、請求額の4.6%にあたるおよそ2億ドルの賠償を韓国政府に命じました。
しかし、韓国政府は、仲裁判定部の権限逸脱や手続き上の誤りがあったとして判断の取り消しを求めていました。今回、投資紛争解決国際センターは、およそ3年前の判断を覆し、韓国政府の主張を全面的に認めて仲裁判断そのものを無効としました。
これにより、2022年に一部認められていた韓国側の賠償責任がすべて無効となり、およそ2億ドル、およそ4000憶ウォンの賠償金を支払う負担も消滅しました。
金国務総理は、今回の結果について「国の財政と金融監督の主権を守り抜いた成果だ」と評価しました。
ただ、外換銀行売却益をめぐるローンスターと韓国国税庁との課税訴訟は依然として続いていて、これについては今後、別に判断が示される見通しです。