卒業後、韓国国内で就職を希望する外国人留学生の62%が、ソウルでの就職を希望していることがわかり、地域での定着が難しい状況が明らかになりました。
政府系シンクタンクの韓国教育開発院が20日、研究結果を公表したところによりますと、去年の外国人留学生は、2007年に比べて4倍以上に増えて、20万8000人でした。
学位取得を目的とする留学生は14万5000人と4.5倍に増え、語学研修など、学位取得を目的としない留学生も3.7倍に増えました。
ただ、首都圏の大学の留学生の割合は、4年制・短大にあたる専門大学・大学院のいずれも上昇したのに対して、首都圏以外ではむしろ下落しました。
学位取得を目的としない留学生の場合は、首都圏以外でも増えましたが、地域での滞在期間は短くなっています。
一部では、首都圏以外での語学課程を経て、ソウルの大学に編入する事例も増えています。
一方、韓国国内での就職を希望する留学生316人を対象にアンケート調査を行ったところ、62%がソウルでの就職を望みました。
ソウルの大学に通う留学生は、ほぼ全員がソウルでの就職を選び、京畿道(キョンギド)や大田市(テジョンシ)の留学生も、大学所在地ではなくソウルを選びました。
ただ、釜山(プサン)や大邱(テグ)の留学生は比較的、地域での就職を選ぶ傾向が高かったということです。
韓国教育開発院は、「労働市場や生活環境が改善されれば、地域への定着が拡大する可能性がある。段階的な政策点検と、地域産業と連携した留学生戦略が必要だ」と指摘しています。