社会
済州のセウォル号生存者が控訴審で勝訴 全国的な再審査に発展するか
Write: 2025-11-21 10:27:02 / Update: 2025-11-21 10:50:19
済州道に住むセウォル号沈没事故の生存者らが、国を相手取って起こした損害賠償訴訟の控訴審で、光州高等裁判所は、原告の一部勝訴を言い渡しました。
今回の判決では、304人が犠牲となった大規模な事故だったこと、また、生存者らが身体的衝撃だけでなく長期間PTSD=心的外傷後ストレス障害など、精神的後遺症に苦しんできた事情が反映されました。
生存者側は、2015年に制定された「セウォル号惨事被害救済および支援などのための特別法」の賠償申請期間が6か月と極めて短く、十分な補償を受けられなかったうえ、時間が経って発生した後遺障害が補償から漏れたとして、2021年に訴訟を起こしました。
1審は、すでに一部の治療費が支払われているとして請求を退けましたが、控訴審では判断を覆しました。
控訴審の判決では、当時、生存者が自らの損害規模を正確に認識できない状況で賠償が行われたこと、なかでもトラウマや後遺症は、数年後に現れる場合もあるとして、これを「予見困難な後発損害」と認めました。
また、公務員の職務上の過失による損害が現在まで継続している以上、国は追加の賠償責任を負うと判断しました。
裁判所では、「11年間後遺障害に耐えてきたのは生存者の責任ではない。今回の判決が少しでも苦しみを和らげる助けになることを願う」と述べました。
今回の訴訟の原告は、鑑定手続きの難しさのためなどから15人から6人に減りましたが、判決の影響は小さくないとみられます。
特に、生存者のトラウマを「長期的で継続的な被害」と認めた今回の判断は、災害被害者への支援体系全体に新たな基準を示したと評価されています。
この判決を受け、セウォル号惨事賠償・補償審議委員会が、済州道だけでなく全国の生存者について職権で再審査に着手するかどうか、注目が集まっています。
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