韓国の鉄鋼最大手の「ポスコ」の浦項(ポハン)製鉄所で、有毒ガスが漏れ出し、6人がけがをしました。
20日午後1時47分ごろ、浦項製鉄所STS第4製鋼工場で作業員が、清掃作業中にガスを吸い込んで倒れたと通報がありました。
この事故で6人が病院に搬送され、このうち3人は一時心停止の状態でした。現在、1人は、心拍は回復し、1人は意識不明の重体、1人は依然として心停止の状態だということです。このほか社内の消防隊員3人もガスを吸い込みましたが、軽傷ということです。
消防とポスコは、一酸化炭素中毒の可能性について調べているほか、警察と韓国雇用労働部も、防護具の着用やガス濃度の測定など、安全対策が適切に行われていたか、確認を進めています。
ポスコグループでは、マンション工事や鉄鋼設備、道路工事の現場などで死亡事故が相次ぎ、ことしに入ってすでに6人が命を落としています。
相次ぐ事故を受け、ポスコは8月から「安全特別診断タスクホース」を設置していますが、今月5日に発生した有害ガス漏れによる死亡事故に続き、わずか半月で再び事故が発生しました。
地域の市民団体は、「事故が繰り返されているのは、安全に対する意識の欠如を示している」と指摘し、抜本的な対策を求めています。