韓国国防部は、来年、旧庁舎であるソウル・龍山(ヨンサン)の大統領室に移転する上で必要となる関連経費238億ウォンの予算案を国会に提出しました。年末から大統領室の青瓦台への移転が始まると見込まれるなか、国防部も元の建物に復帰するための準備に取り掛かっています。
国会の国防委員会所属の議員が23日に明らかにしたところによりますと、国防部は大統領室の青瓦台への移転に伴い、国防部と合同参謀本部庁舎を再配置する必要があるとして、来年度の国防予算に総額238億6000万ウォンの増額を求める意見書を国会に提出しました。この予算案は、国会国防委員会の来年度審査で可決され、現在は国会の予算決算特別委員会で審査が進んでいます。
前の尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権は2022年の大統領選挙直後、青瓦台にあった大統領執務室の移転を進め、同年5月10日に龍山の旧国防部庁舎へ移転しました。これに伴い、国防部は旧庁舎のすぐ隣にある合同参謀本部の庁舎へ移り、3年以上にわたって同じ建物を使用する一方、国防部の一部の部署と直属部隊は敷地内外に分散配置されていました。
国防部は、今回の移転計画について、「大統領室の龍山移転でやむを得ず分散していた国防部と直属部隊を再び一体で配置する必要がある」と説明しています。国防部と合同参謀本部はそれぞれ単独庁舎に復帰し、その他の機関は敷地内の空きスペースに再配置する方針です。
大統領室の移転は国家の象徴と安全保障の中枢に関わる重大な決定で、単なる政策変更以上の意味を持ちます。しかし、相次ぐ移転で莫大な予算が繰り返し必要となる状況に、国民からは「政権が変わるたびに税金が使われるのは納得できない」との声もあがっています。