北韓が最近、寧辺(ヨンビョン)核施設で近代化や拡張を進めている兆候が確認されました。
アアメリカの北韓専門メディア「38ノース」は23日、10月から11月に撮影された最新の衛星画像を分析したところ、寧辺の主要区域全般で、核物質の生産能力を高めるための増設や補修作業が活発に行われていると明らかにしました。
最も目立つ変化として、放射化学実験室の北東側で新たな濃縮施設とみられる建物が確認されました。外観はほぼ完成しており、側面には熱交換器と推定される6基の装置が取り付けられています。これは遠心分離機の稼働に不可欠な設備で、実際の運転が近いことを示唆しています。
放射性廃棄物の貯蔵施設も拡張が進んでいます。既存の施設の近くに半地下型の貯蔵設備が新設され、西側では別の地下貯蔵庫とみられる掘削作業が行われています。核物質生産量の増加に備えた措置とみられます。
また、黒鉛減速炉(5MWe級)の原子炉は補修作業中にもかかわらず運転を停止していないことが確認され、プルトニウムの生産を維持する意図がうかがえるとしています。
「38ノース」は、「北韓は濃縮施設をはじめ、廃棄物処理、原子炉運用に至るまで、核兵器の生産体制全般の拡張と安定化に一層拍車をかけている」と評価しました。