12月3日の非常戒厳令をめぐる事件で、特別検察チームは、前国務総理の韓徳洙(ハン・ドクス)氏に対し、懲役15年を求刑しました。今年8月の起訴から、およそ3か月が経ちました。
特別検察は26日の結審公判で、韓前総理が、大統領の権限乱用を抑える立場にありながら、違法な戒厳令の布告を事実上、黙認したと指摘しました。
また、戒厳令の布告文にあった法的な欠陥を、事後の文書で補おうとしたことや、虚偽の公文書を作成した疑い、それに憲法裁判所の弾劾審判で偽証した疑いなどを挙げ、「今回の事態は民主主義へのテロで、国民全体が被害者だ」と述べました。
特別検察は、10年以上50年以下の懲役となる内乱の「主犯幇助」が認められない場合に備え、内乱の実行を支える重要な任務に関わった罪についても判断を求めています。
この罪は、死刑や無期、または5年以上の懲役が科される可能性があります。
韓前総理は戒厳令に反対し、尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領を制止したと主張していますが、特別検察は大統領室の映像などから、実際には戒厳令に同調したとみています。
24日の被告人尋問では、裁判長が「なぜ明確に反対しなかったのか」と問いただしましたが、韓前総理は「残念に思う」とだけ答えました。
1審の判決は来年1月21日または28日に言い渡される予定で、尹前大統領や金容炫(キム・ヨンヒョン)元国防部長官ら、関連するほかの事件にも影響を与える見通しです。