北韓がこの5か月間、非武装地帯(DMZ)で防御施設の強化を加速させ、全区間のおよそ74%の工事が終了したと分析されています。
アメリカの北韓専門メディア「NKニュース」は、民間の人工衛星会社が撮影した画像をもとに、北韓が去年から非武装地帯一帯で樹木を伐採し、軍事境界線付近に防護壁やフェンス、対戦車用の障害物を設置していると伝えました。
このうち42%がことし6月以降に完成したもので、ここ数週間に、北韓軍の数千人規模の兵力が現地で急速に工事を進めている様子も確認されたということです。
全区間のおよそ74%の工事が終了したとみられ、去年の68キロからことしは87キロへと大幅に拡大しました。
専門家らはこうした動きについて、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が去年、「敵対的な二国家論」に言及し、国境警備の強化を指示したことを受け、工事が一層加速したとみています。
韓国政府は最近、北韓軍による軍事境界線の度重なる侵犯を懸念し、標識もなくなっていることから境界線を協議するための南北軍事当局会談を提案していますが、北韓側はこれまでのところ応じていません。