韓国プロ野球のトゥサンベアーズがアジアクォーター制度で、今季まで西武でプレーしていた田村伊知郎投手を獲得しました。年俸は20万ドルです。
田村投手は2016年に西武でデビューし、一軍で通算150試合、防御率3.40を記録した救援投手です。
トゥサンによりますと、田村投手は宮崎キャンプで行われたテストで、速球の制球と球威がともに高く評価されたということです。
2026年シーズンから新しく導入されるアジアクオーター制度は、日本・台湾・オーストラリアなどアジア出身の選手を、年俸と移籍金を合わせて最大20万ドルの範囲で追加獲得できる新たな枠です。従来の外国人選手3人とは別に運用されるため、各球団の獲得競争が早くも活発になっています。
今回のオフは各球団とも投手の補強に力を入れています。
SSGはソフトバンク出身の武田翔太投手を、KTは日本独立リーグ出身の杉本幸基投手を獲得しました。ハンファは台湾の左腕投手を、LGはオーストラリアの左腕投手をそれぞれ獲得しています。
投手中心の補強が進む理由として、韓国プロ野球が先発・救援ともに「投手力を重視するリーグ」であることに加え、野手を補強した場合、韓国の有望選手の出場チャンスが減るとの懸念があげられます。
ただ、アジアクオーター制度は年俸上限が低いほか、比較的試合数が少なく競争が激しくないリーグの選手が中心となるため、韓国プロ野球の144試合制や大規模な観客などの環境にどこまで適応できるかが今後の焦点となりそうです。