去年7月、ソウル市庁駅付近で逆走し、歩行者ら9人を死亡させたとして交通事故処理特例法違反の罪に問われた被告の男に対して禁錮5年の判決が確定しました。
最高裁に当たる大法院は4日、交通事故処理特例法違反の罪で起訴された被告の男に対し、禁錮5年とした原審判決を支持し、刑を確定しました。
禁錮刑は、拘置所に収容されますが、懲役刑と異なり労役は課されません。
この男は去年7月1日、ソウル市庁駅近くのホテルの地下駐車場から出る際、ブレーキではなく誤ってアクセルを踏み込んで歩道に突っ込み、歩行者や車2台に次々と衝突していて、この事故で9人が死亡し、5人がけがをしました。
1審と2審はいずれも、事故の原因を車両の欠陥ではなく運転手の過失と判断しました。
韓国では重大事故のたびに車が勝手に加速する「急発進」かどうかが論争になりますが、今回も裁判所は「急発進」という主張を認めませんでした。
争点となったのは、この事故を「複数の別々の事故」とみるか、「一度の誤ったペダル操作が招いた単一事故」とみるかという点でした。
1審は複数の事故と判断し、より重く処罰しましたが、2審と大法院は単一事故とみて禁錮5年を維持しました。
大法院は、「それぞれの被害は、同一の運転行為から生じたとみることができる」として原審判断を支持し、検察と被告双方の上告を棄却しました。