韓国を訪れる外国人旅行者数は、コロナ禍で大きく落ち込んだあと回復傾向にありますが、ことし回復が急速に進み、済州(チェジュ)と釜山(プサン)の外国人旅行者は、いずれも過去最多になりました。
済州国際空港によりますと、国際線の利用客は今月2日の時点でおよそ280万人で、2016年の記録を超えて歴代最多となりました。
ことし済州を訪れた外国人旅行者もおよそ212万と、去年より17%以上増えています。
とくに、日本や台湾、シンガポールなどからの旅行者の増加が目立っていますが、韓国のアイドルグループを題材にしたネットフリックスのアニメーション映画「K-POPガールズ!デーモンハンターズ」や、済州を舞台にしたドラマ「おつかれさま」などの人気が背景にあるとみられます。
また、済州道(チェジュド)は国内外の航空会社に対し、新規の国際線路線を運航する航空会社に対し、最大1億5000万ウォンを支援する条例改正を進めていることから、外国人旅行者は今後、さらに増加するものと予想されています。
一方、釜山を訪れた外国人旅行者も10月末の時点でおよそ301万人となり、初めて300万人を突破しました。
国籍別では台湾が最も多く、中国、日本が続きました。
釜山の外国人旅行者の増加をめぐっては、海雲台(ヘウンデ)や広安里(クァンアンリ)を中心とした海の体験型レジャーの拡大や「釜山フードフィルムフェスタ」といったグルメイベント、市内各地で開催される夜間の祭りやストリートパフォーマンスなど、地域色の強い文化イベントが影響したと分析されています。
また、釜山国際映画祭、釜山港花火大会、オペラとミュージカルを融合した公演など、釜山ならではの都市ブランドを強化した大型イベントも、外国人旅行者の誘致を後押ししました。