海外から密輸される麻薬が急増するなか、ことし韓国の国境で摘発された麻薬の規模が過去最大を記録し、関税庁は10か国との合同取り締まりを大幅に強化すると明らかにしました。
関税庁によりますと、ことし1月から10月までの国境での麻薬の摘発量は2913キロで、去年の同じ期間に比べて4倍に増えました。
密輸ルートを見てみますと、飛行機を利用する旅行者による持ち込みが505件で最も多く、国際宅配便や国際郵便が続きました。
品目別では、コカインが2302キロと大半を占め、ケタミン、MDMA、LSDなどの合成麻薬や大麻も継続的に摘発されています。
出発地としては、カンボジアやラオス発の密輸が急増しています。この地域は、タイ、ミャンマー、ラオスの国境地帯である「ゴールデントライアングル」に近く、国際的な麻薬生産地として知られています。
上半期には、ペルーやエクアドルなど中南米諸国の船舶からも大量のコカインが摘発されました。
関税庁は、これまでのタイやベトナムなど5か国に加え、カンボジア、ラオス、カナダ、ドイツ、フランスまで、あわせて10か国との合同取り締まりを拡大する方針です。
各国の税関と職員を相互派遣し、リスク情報や隠匿手法を共有して、出発地の段階で怪しい貨物や旅行者を選別し摘発することで、韓国到着前に遮断する「二重の統制網」を作る計画です。
関税庁は、「韓国内で流通する麻薬の大半が海外から密輸されていることから、出発国の段階での先制的な遮断が最も効果的だ」と説明しました。