NASA=アメリカ航空宇宙局に所属する韓国系アメリカ人の宇宙飛行士、ジョニー・キムさんが、国際宇宙ステーションでのおよそ8か月間の任務を終え、地球への帰還の途につきました。
NASAが中継した映像によりますと、キムさんはアメリカ東部時間の8日午後5時10分ごろ、国際宇宙ステーションにドッキングしていたロシアの宇宙船「ソユーズ」に、ロシア連邦宇宙局所属の宇宙飛行士2人とともに乗り込み、国際宇宙ステーションを離れました。
宇宙船はアメリカ東部時間の9日午前0時4分ごろ、カザフスタンのジェズカズガン南東の草原地帯にパラシュートで着陸する予定で、キムさんはその後、カザフスタンのカラガンダに移動し、帰還後のリハビリなどを行うということです。
キムさんは、4月にソユーズで国際宇宙ステーションに到着し、およそ8か月間にわたりさまざまな科学実験や研究に取り組みました。
また、医師でもあるキムさんは、国際宇宙ステーション滞在中、乗組員の血液検査や眼科検査など健康状態のモニタリングも担当しました。
キムさんは、国際宇宙ステーションに滞在する間、地球周回軌道を3920回巡り、およそ1億6737万㎞を飛行したということです。
国際宇宙ステーション滞在中には、キムさんがコチュジャンなど韓国の食品の写真をSNSに投稿し、話題となったこともありました。
今回の任務は、キムさんが2017年にNASAの宇宙飛行士に選ばれて以来、初めて担当した宇宙任務であり、韓国系の宇宙飛行士が宇宙で任務を遂行した初めての事例となりました。
キムさんはアメリカ海軍特殊部隊「ネイビーシールズ」で勤務し、イラクでは、衛生兵、狙撃手などとして活動しました。その後、ハーバード大学医学部を卒業して救急医療の研修医を経て、2017年にNASAの宇宙飛行士に選抜されました。