アメリカの大手格付け会社、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)とアジア開発銀行が、そろって来年の韓国の経済成長率の見通しを上方修正しました。
スタンダード・アンド・プアーズは、来年の韓国の経済成長率を 2.3% と予測しました。
S&Pは「韓国企業の信用環境は最悪の局面を脱した。世界景気の回復や、韓米の関税交渉の妥結によって不確実性が減少した」と評価しています。
ことしは、EV=電気自動車のバッテリー、化学、鉄鋼など 7社の格付けや見通しを引き下げた 一方で、半導体や技術分野では 上方修正があった と説明しました。
来年は業種間の業績格差がさらに鮮明になり、化学分野には下押し圧力が最も強くかかる一方、半導体は好調を維持する可能性が高いと分析しています。
また、アメリカの政策変化は企業業績を左右する重要な要因だと指摘し、EV普及の鈍化はバッテリーメーカーにとってマイナスとなるものの、電力貯蔵システム需要の拡大がその負担を一部補うとみています。
さらに、米中対立の深刻化は、造船など一部産業に 新たなビジネス機会 をもたらす可能性があると評価しました。
一方、アジア開発銀行は、ことしの韓国の成長率を 0.9%、来年は 1.7% と予測しました。
いずれも、9月の見通しより 0.1ポイントの上方修正 です。
景気刺激策による消費の押し上げ、世界的な半導体需要の増加、そして関税交渉妥結による不確実性の低下を反映したと説明しています。
ただ、住宅市場の弱さや地政学的な緊張など、下振れリスクは依然として残っていると指摘しました。