韓国南西部の光州(クァンジュ)市の図書館の新築工事現場で崩落事故が起き、作業員4人が下敷きになり、このうち2人が死亡し、2人が行方不明となっています。
消防によりますと、11日午後1時58分ごろ、光州市内で建設中の光州代表図書館の工事現場で、2階屋上でコンクリートを流し込む作業中に構造物が崩落する事故が発生し、作業員らが下敷きになりました。
事故直後、下敷きになった作業員4人のうち40代の作業員1人が救助され、病院に搬送されましたが、その後、死亡が確認されました。また、別の1人が現場で心肺停止の状態で見つかり、その後、死亡が確認されました。
残る2人については、12日午前の時点でも、どこにいるのか特定できていません。
当局は、2階の屋上から始まった崩落が地下まで連鎖的に広がり、作業員らが巻き込まれて埋まったとみています。
代表図書館は地域の中核となる公共図書館で、日本の都道府県立図書館にあたります。
事故が起きた構造物は、建物と建物をつなぐ鉄骨構造で、長さおよそ48メートル、幅20メートルの大きさだということです。
この構造物には、コンクリートの荷重を支えるための仮設の支柱が設置されていなかったとされています。
これについて工事現場の関係者は、支柱を設けなくても施工が可能な特許工法を適用して工事を進めていたと説明したということです。
救助当局は、およそ200人とクレーン、熱を感知するカメラなどを投入し、夜通しで捜索と救助活動を続けていますが、さらなる崩落の危険や、固まりつつあるコンクリートのがれきのため、作業は難航しています。
韓国では最近、工事現場の安全管理や施工方式の適切さをめぐる社会的な関心が高まっていることから、関係当局は今回の事故の詳しい経緯や施工過程全般について調査に乗り出す見通しです。