韓国、日本、中国の3か国による保健相会合がソウルで開かれ、AI=人工知能やデジタル技術を活用して、医療の公平性や高齢化、メンタルヘルスといった共通課題への対応を強化していくことで一致しました。
韓国の保健福祉部によりますと、韓日中3か国による保健相会合が13日から14日にかけてソウル市内で開かれ、韓国から鄭銀敬(チョン・ウンギョン)保健福祉部長官、日本から上野厚生労働大臣、そして中国からは、閣僚ではなく局長クラスが代理で出席しました。会合は3か国が持ち回りで開催する閣僚級協議で、今回は韓国の鄭長官が議長を務めました。
会合では、AIやデジタル技術が、医療サービスの格差解消やアクセス向上に欠かせない手段であるという認識を共有しました。医療インフラが十分でない地域を中心に、デジタルヘルス分野での連携を深め、各国の制度に応じた活用事例を共有していく方針です。
また、急速に進む高齢化に対応するためには、医療と介護を一体化させた包括的なケア体制が重要だとして、各国の制度や政策の経験を共有していくことでも一致しました。
さらに、メンタルヘルスについては、自殺予防の重要性を強調し、ライフステージごとの対策や、ハイリスク群の早期発見、さらにAIを活用した予測・診断技術の導入についても、協力を進めていくとしています。
3か国はこのほか、今後も保健分野での協力を深めていくとする共同声明を採択しました。
議長を務めた鄭長官は「東アジア地域における保健協力の信頼と実質的な連帯を深める機会になった」と述べ、今後の協力に意欲を示しました。