韓国最大のネット通販企業、クーパンで起きた大規模な個人情報流出をめぐり、アメリカの親会社クーパンの創業者で実質的支配者であるキム・ボムソク氏が、今月17日に予定されている国会の科学技術情報放送通信委員会の公聴会に出席できないとして、欠席理由書を提出したことを受け、同委員会の与党議員らは、クーパンに対する国政調査を行う方針を明らかにしました。キム氏は、韓国クーパンの株式100%を保有するアメリカの親会社「クーパン」の筆頭株主です。
キム氏は欠席理由書の中で、「世界170か国余りで事業を展開するグローバル企業のCEO=最高経営者として、公式な業務日程がある」として、公聴会への出席を拒否しました。これに対し、科学技術情報放送通信委員会所属の与党「共に民主党」の議員らは、キム氏をはじめとする関係者を告発するとともに、国政調査を進めることを決めました。
議員らは15日に発表した声明で、「3370万人分の個人情報が流出した大規模事故を前に、クーパンの実質的な責任者が国会の証人喚問を拒否したのは、国会証言鑑定法に明確に違反する行為だ」と指摘し、「韓国クーパンのセキュリティ管理体制や、事故が繰り返される構造的な原因、責任回避の有無について、全面的に究明する」と強調しました。
国政調査では、証人が正当な理由なく国会の出席要求に応じない場合、公聴会とは異なり、国会証人鑑定法に基づいて出席を命じる命令書を発付することが可能とされています。
クーパン全体の売上の90%以上を占める韓国で、国民の3分の2に当たる3370万人分の個人情報が流出する事態が発生したにもかかわらず、海外事業を理由に韓国入りできないとするキム氏の主張に対し、国内では批判の声が高まっています。
キム氏はこれまで10年間、国会の国政監査や公聴会などで証人として6回採択されましたが、いずれも出席していません。