金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が、重点政策の「地方発展20×10」政策にもとづき各地に建設された地方工場の竣工式に出席しました。この式典には妻と娘も同行しました。
北韓の労働党機関紙「労働新聞」は16日、金委員長が平壌(ピョンヤン)郊外の江東(カンドン)郡に整備された工場などの竣工式に出席したと報じ、1面から7面にかけて集中的に伝えました。
「地方発展20×10」政策とは、毎年20の地域で工場を新設し、今後10年以内に地方の生活水準を改善させるという政策です。
金委員長は、地方の発展と住民生活の向上を強調し、この政策を一貫して進めていく考えを示しました。
来年初めに開かれる第9回党大会を控え、政策の成果を強調する動きとみられます。
式典には、金委員長の妻、李雪主(リ・ソルジュ)氏と娘のジュエ氏も同行しました。
労働新聞が公開した53枚の写真のうち、30枚以上にジュエ氏の姿が写っていて、一部の写真では、金委員長より前を歩く様子も確認されました。
また、金委員長が幹部に指示を出す場面でも、ジュエ氏が独自に移動したり、別の方向を見つめたりする姿が捉えられています。
一方、記事本文ではジュエ氏に関する直接的な言及はありませんでした。
これについて、公式な後継者という位置づけは避けつつ、写真を通じて段階的に存在感を強調する意図的な演出だとする分析が出ています。
また、李雪主氏が高級ブランドのバッグや腕時計を身に着けた姿も公開されました。
これらは国連安全保障理事会の対北韓制裁で持ち込みが禁止されているぜいたく品に該当し、北韓が制裁を意に介さない姿勢を内外に示す狙いがあるという見方も出ています。