李在明(イ・ジェミョン)大統領は、南北関係の改善について、「容易なことではないが、諦めるべきことではない」と述べ、対話と意思疎通を重ねて進める必要性を強調しました。
李大統領は19日、外交・統一分野の省庁業務報告の場で、南北対話を主導する役割は統一部が担うべきだとの考えを示し、統一部の役割を明確にしました。
この発言は、最近、外交部と統一部の間で、対北韓政策の調整をめぐる意見の違いが表面化している状況を踏まえたものとみられます。
また、李大統領は最近の南北関係について、双方の敵対的な姿勢が強まり、緊張が深まっているとの認識を示しました。
そのうえで、強硬一辺倒の対応は、経済や安全保障の面で、かえって負担を大きくするおそれがあると指摘しました。
特に、北韓が軍事境界線周辺に三重の鉄柵を設置し、道路や橋を遮断していることについては、南側からの攻撃を警戒した防御的な措置と受け止める見方も示しました。
また李大統領は、北韓の国営メディアへの国民のアクセスが制限されている現状について、国民を主体的に判断できない存在として扱っているのではないかと批判しました。
情報への接触そのものを一律に遮断する対応が、現実に合っているのか検討が必要だとの考えを示しました。
李大統領は、北韓が現在、接触そのものを拒否している状況を認めたうえで、「針の穴一つでも開けるという忍耐強さで」、粘り強く対話の糸口を探る必要があると強調しました。
さらに外交部に対しては、外交は安全保障だけでなく経済を支える重要な手段だとして、在外公館が経済協力や文化発信の前線基地として役割を果たすよう求めました。