去年12月、全羅南道(チョンラナムド)の務安(ムアン)国際空港で発生した済州(チェジュ)航空の旅客機事故から1年を前に、遺族らが全国の主な事故現場を巡り、社会的連帯を呼びかけています。
「12・29 務安国際空港済州航空旅客機事故 遺族協議会」は19日、務安国際空港を出発し、梨泰院雑踏事故の犠牲者を追悼する献花の場を訪れ、聖域のない真相究明を求めるとともに、今後の活動計画を明らかにしました。
遺族は、個々の事故の中で孤立していた悲しみを超え、韓国の現代史が経験してきた事故の真実と責任を共に問いただしていきたいとしたうえで、被害者同士の連帯を通じて、より安全な社会へと向かうきっかけにしたいとしています。
また、発生した時期や場所は異なるものの、「国家の不在」という共通の経験を共有しているとして、真実を明らかにすることが、さらなる悲劇を防ぐ出発点になると強調しました。
一方で、事故原因をめぐる調査をめぐっては議論が続いていて、調査結果の発表が遺族の反発を受けて中止されるなど、真相究明の過程における透明性や資料公開の在り方が重要な争点となっています。警察の捜査も並行して進められています。
遺族協議会は今後、3泊4日の日程で、2023年7月に豪雨により地下車道が浸水し、多くの犠牲者が出た忠清北道(チュンチョンブクド)五松(オソン)の事故現場や、修学旅行中の高校生らが犠牲となった2014年の全羅南道(チョンラナムド)珍島(チンド)沖のセウォル号沈没事故の追悼施設、建物の安全管理の問題が社会問題となった1995年の三豊(サンプン)百貨店崩壊事故の慰霊碑、放火事件による大規模火災で多くの死者が出た2003年の大邱(テグ)地下鉄火災惨事の現場などを、順次訪れる予定です。
遺族は、この事故は過去の出来事ではなく、現在も国民の航空安全に直結する問題だとして、政府や国会、市民社会に対し、継続的な関心と参加を呼びかけています。