韓国のネット通販最大手、クーパンで起きた3000万件を超える大規模な個人情報の流出をめぐり、韓国政府は長官級の政府高官が出席する緊急の対策会議を開きました。外交・安保当局も参加するなか、副総理兼科学技術情報通信部長官が省庁横断のタスクフォースを主宰することが決まりました。
祝日の25日午後に開かれた会議には、大統領室で政策形成の中心を担うスタッフのほか、裵慶勲(ペ・ギョンフン)副総理兼科学技術情報通信部長官のほか、さらに金融・個人情報・公正取引を担当する長官級の関係者が出席しました。加えて、外交部と国家情報院など、外交・安保当局も参加し、問題を多角的に点検しました。
クーパンは、韓国で数千万人が利用する最大のオンラインプラットフォームで、大量の個人情報を保有しています。最近では、アメリカの政界や官界へのロビー活動をめぐる疑惑が浮上しており、今回の問題が、国内企業の個人情報流出事故にとどまらず、外交や通商問題にまで発展する可能性も指摘されています。
およそ2時間にわたって行われた会議では、個人情報流出の現状や、二次被害を防ぐための対策を共有しました。そのうえで、現在、科学技術情報通信部の第2次官が率いている省庁横断のタスクフォースを、裵副首相が主宰して運営することが決まりました。
また、プラットフォーム企業による情報流出を防ぐため、制度の見直しも検討していく方針です。
韓国ではクリスマスは祝日にあたるため、休日に大統領室をはじめ、長官級の関係者が一斉に集まるのは異例と受け止められています。
こうした外交・安保当局が参加する対策会議が開かれた背景には、今回の問題を国家レベルの重大案件として厳正に対応するという、李在明(イ・ジェミョン)大統領の強い意向が反映されているとみられます。