北韓が韓半島西の海、西海に向けて長距離の戦略巡航ミサイルを発射したと発表しました。北韓は、今回の発射について、「核抑止力を誇示する目的だ」としたうえで「今後も、核抑止力を限りなく強化させていく」としています。
北韓の国営メディア、朝鮮中央通信は29日、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が立ち会う中で、前日にミサイル発射訓練が行われたと報じました。それによりますと、発射された複数の戦略巡航ミサイルは、韓半島西側の海上に設定された飛行ルートに沿って、およそ2時間50分にわたって低高度で飛行し、標的を正確に命中させたとしています。
これは、巡航ミサイルが高度を低くしながら長時間飛行して目標を攻撃できるという特徴を強調した説明で、レーダー探知や防空網を回避する能力を誇示する狙いがあるとみられます。
金委員長は、今回の発射について「核抑止力を点検するためのもの」としたうえで、「我々の戦略的反撃能力が確実に検証された」と大いに満足を示しました。また、「現在の国際情勢の中で核抑止力を点検・誇示することは、自衛権の行使だ」と主張し、今後も核戦力を限りなく強化していく考えを改めて示しました。
一方、韓国軍の合同参謀本部は、28日午前8時頃、平壌近郊の順安(スンアン)から発射されたとみられるミサイル数発を探知していたと明らかにしました。軍は、年末年始を控え、北韓が追加のミサイル発射に出る可能性もあるとしています。