韓国政府は、ことし10月から2か月間にわたり実施した麻薬類の特別取締りの結果、4000人近い薬物事犯を摘発したと明らかにしました。
政府は29日に行われた「麻薬類対策協議会」で、ことし10月1日から11月30日まで実施された下半期の政府横断の麻薬類特別取締りの結果を公表しました。
それによりますと、薬物事犯3996人が摘発され、このうち478人が拘束されました。押収された麻薬類は合わせて103キログラムに上ります。
去年の同じ時期に摘発された3792人と比べると、摘発人数は増加した一方、押収量は248キログラムから減少しました。政府は、大規模な麻薬の供給・流通が抑制された結果だと説明しています。
また、薬物の麻薬事犯に占める供給事犯の割合も、去年の33.6%から、ことし1月から10月時点では28.8%へと減少傾向を示しました。
政府はこの日の会合で、関係省庁間の連携を強化するための方策についても協議しました。まず、税関段階での水際対策を強化するため、関税庁と郵政事業本部の連携を拡充する方針です。
この日から、首都圏の一部郵便物を対象に麻薬検査の試験事業を開始し、来年上半期には全国の主要都市へ拡大する計画です。そのため、予備費を活用するなどして、必要な予算や人員を迅速に確保するとしています。
さらに、治療と社会復帰を重視した麻薬使用者の管理も強化します。法務部は、効果が確認されている更生プログラムの対象者を2倍に拡大し、入所から社会復帰までを一貫して管理する制度を、来年下半期までに拡大運用する方針です。
そして、裁判所と連携し、執行猶予中の人に対して治療・更生プログラムや教育の受講命令を確実に課すほか、起訴猶予処分となった人についても個別に適したプログラムを履修させる制度の定着を図るとしています。
このほか、警察庁と関税庁が進めているセンサーなどを使ってにおいで麻薬かどうかを測定する「電子鼻」の研究開発を後押しすることで、先端技術を活用した取締り能力の向上も目指すとしています。