北韓の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は、核弾頭を搭載できるとされる多連装ロケット砲を生産する軍需工場を訪れ、「敵を壊滅できる戦略的な攻撃手段」と強調しました。
朝鮮中央通信は、金国務委員長が28日、軍需工場を現地指導し、多連装ロケット砲車両の生産状況を点検したと伝えました。金委員長は、この多連装ロケット砲について「わが軍の主力の打撃手段となる超強力な武器体系だ」としたうえで、「敵を壊滅させることができ、戦略的な攻撃手段としても利用できる」と述べました。
「戦略的な攻撃手段として利用できる」という表現は、核弾頭の搭載が可能であることを示唆したものと受け止められています。
専門家は、公開された写真に写る多連装ロケット砲は、北韓が戦術核の搭載が可能だと主張している600ミリの超大型多連装ロケット砲「KN-25」だと分析しています。「KN-25」は、最大射程がおよそ400キロの短距離弾道ミサイル(SRBM)で、韓国全域を射程に収める兵器です。
この兵器は、最近行われた朝鮮労働党の創建80周年記念の軍事パレードなどでも公開されたことがあり、高い機動性と精密な打撃力を備えた先端兵器とされています。
金委員長は最近、原子力潜水艦の建造現場や弾道ミサイルの工場を相次いで視察していて、来年初めに予定されている朝鮮労働党の第9回大会を前に、軍事力を誇示する動きを強めています。