韓国の防衛産業大手、ハンファエアロスペースは、ポーランドと多連装ロケット砲「天武(チョンム)」に搭載する誘導ミサイルを追加で供給する、5兆6000憶ウォン規模の契約を結びました。単なる輸出ではなく、現地の合弁法人を通じて生産する方式で、政府が積極的に防衛産業分野で外交を繰り広げた成果だという評価が出ています。
ハンファエアロスペースは現地時間の29日、ポーランド軍備庁と、射程およそ80キロの「天武」の誘導ミサイルを供給する3回目の契約を結びました。契約規模はおよそ5兆6000億ウォンです。
今回の契約により、誘導ミサイルは、ハンファエアロスペースとポーランド最大の防衛産業企業「WBグループ」が共同出資して現地に設立した合弁法人の生産工場で製造され、ポーランド軍に直接、引き渡されます。
EU=ヨーロッパ連合では最近、EU域内での兵器の優先調達を促す、いわゆる「ブロック化」が強まっています。こうしたなかで、韓国の防衛産業企業がヨーロッパの現地に生産拠点を設けて兵器を供給する契約が結ばれたことは、意義が大きいとされています。
ハンファエアロスペースは、李在明(イ・ジェミョン)大統領の特使が派遣されるなど、積極的な防衛産業外交を進めた結果、EUのブロック化に対応し、大規模な受注を実現できたと説明しています。
これについて、姜勲植(カン・フンシク)大統領秘書室長は、「今回の契約は、武器の輸出を超えて、共同生産の段階に協力が進んだことを示している。韓国とポーランドは、安全保障と産業を結ぶ最も強力なパートナーになるだろう」と述べました。