アメリカがベネズエラのマドゥロ大統領を拘束したことを受け、韓国政府は「ベネズエラ国民の意思が尊重される中で民主主義が回復し、対話を通じて早期に安定を取り戻すことを望む」との立場を示しました。
韓国外交部は4日、報道官声明を発表し、このように述べた上で「地域の緊張緩和に向け、すべての当事者が最大限の努力を尽くすことを求める」としました。
戦争が宣言されていない中、ベネズエラの大統領を同国の領土内で軍事作戦によって拘束し、国外へ移送した行為は、主権の尊重や領土保全を基本原則とする国連憲章や国際法に反するのではないかとの指摘が、一部で出ています。
ただ、外交部は声明の中で、こうしたことへの直接的な言及を避け、原則的なレベルで緊張緩和と民主主義の回復を呼びかけるにとどまりました。これは、現地に滞在する韓国人が、依然として影響力を持つマドゥロ大統領の支持勢力から危害を受ける可能性やアメリカとの関係性などを総合的に考慮したためとみられます。
アメリカは現地時間の3日、ベネズエラに対して軍事作戦を実施し、マドゥロ大統領夫妻を拘束してニューヨークに移送しました。トランプ政権は去年、第2期政権発足以降、ベネズエラをアメリカへの麻薬流入の主なルートと位置づけ、「麻薬との戦争」を宣言し、ベネズエラ周辺海域で船舶を攻撃するなど、軍事的圧力を強めてきました。
ニューヨーク・タイムズは4日、奇襲を受けたベネズエラでは、マドゥロ大統領を警護していた兵士や民間人などおよそ80人が死亡したと報じています。アメリカ軍側に死者はいないということです。ベネズエラ政府は、アメリカによる侵攻を強く非難し、国家非常事態を宣言しています。
国連の安全保障理事会は、コロンビアと中国、ロシアの要請を受け、近く緊急会合を開き、アメリカによるマドゥロ大統領の拘束について協議する予定です。この場でアメリカが「国際法違反」との批判にどう対応するのかが注目されています。