去年、韓国の1人当たりのGDP=国内総生産は、低成長とウォン安の影響で、3年ぶりに後退したとみられています。半導体景気に沸く台湾に、22年ぶりに追い抜かれるとの試算も出ています。
11日、韓国企画財政部の発表によりますと、去年の韓国の1人当たりのGDPは3万6107ドルで、前の年より0.3%減少したと推計されました。1人当たりのGDPは、国民の平均的な生活水準を示す指標であり、減少は3年ぶりとなります。
韓国は2016年に初めて3万ドルを超え、2018年には3万5000ドル台まで上昇しましたが、新型コロナウイルスの影響で2020年には3万3000ドル台に下落しました。その後、景気刺激策と輸出の回復により2021年に持ち直しましたが、物価高と利上げの影響で再び下落に転じました。
去年の実質GDP成長率も1.0%と、新型コロナウイルスが発生した2020年以降で最も低くなると予想されました。去年はドルに対するウォン相場が1ドル=1422.16ウォンと過去最もウォン安が進んだことも、ドル換算の1人当たりのGDPを押し下げる要因となりました。
一方、半導体産業を中心に成長した台湾の1人当たりのGDPは3万8748ドルと、韓国を上回ると見込まれています。IMF=国際通貨基金が去年10月に発表した世界経済見通しでも、台湾の1人当たりのGDPが韓国を追い抜くと予測されました。
問題は、今後も韓国と台湾の経済格差がさらに拡大すると見込まれている点です。IMFは、台湾の1人当たりのGDPがことしには、4万ドルを超える一方、韓国は2028年になってようやく4万ドルに達すると予測しています。
半導体を主力産業にしているという共通点があるにもかかわらず、台湾と異なり、韓国では先端産業への支援や規制改革が進んでおらず、構造的な低成長局面に入る懸念が大きいとの指摘が出ています。
ソク・ビョンフン梨花女子大学経済学科教授は、「企業が投資しやすい環境をつくるため、規制を緩和し、硬直的な労働市場を改善するなど、政策によって潜在成長率を引き上げる必要がある」と述べました。