一昨年12月の「非常戒厳」宣言をめぐり、内乱を首謀した罪で起訴された尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領に対する、内乱首謀容疑の1審の論告求刑公判で、特別検察チームは、内乱の首謀や職権乱用などの罪で、死刑を求刑しました。
ソウル中央地方裁判所で13日に開かれた公判で、内乱事件を担当する特別検察チームは、尹前大統領について、法定最高刑を科すべきだと主張しました。前大統領に死刑が求刑されるのは、およそ30年ぶりです。
内乱の首謀罪の法定刑は、死刑、無期懲役、無期禁錮の3つに限られています。
特別検察チームは最終意見で、「尹前大統領は、違憲かつ違法な非常戒厳によって、国会や中央選挙管理委員会の機能を損ない、国民の政治的自由や生命、身体の自由に重大な脅威を与えた」と述べました。
そのうえで、「民主主義は多くの犠牲によって守られてきた価値であり、権力維持の目的でこれを損なう行為は、二度と繰り返されてはならない」と強調しました。
また、「最大の被害者は、独裁や権威主義に立ち向かい、犠牲を払ってきた国民だ」と述べ、「民主主義や法治主義など、憲法が保障する核心的な基本権が、内乱によって一瞬で崩れた」との認識を示しました。
さらに特別検察チームは、非常戒厳の宣言によって国家の信認が低下し、消費心理が冷え込むなど、経済全体に衝撃が及んだと指摘しました。
尹前大統領は、死刑の求刑が示された場面で、薄く笑みを浮かべていたということです。
今回の死刑求刑は、1996年の軍事反乱・内乱事件の裁判で、検察が全斗煥(チョン・ドゥファン)元大統領に死刑を求刑して以来、憲政史上2度目となります。