尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の支持者らが、尹前大統領の逮捕状を発行したことに反発し、去年1月に裁判所内に乱入、暴動を起こした事件をめぐって、背後で扇動・指示した疑いが持たれているサラン第一教会の全光焄(チョン・グァンフン)牧師が、事件発生からおよそ1年を経て拘束されました。
ソウル西部地方裁判所は13日、特殊建造物侵入教唆などの容疑について、「証拠隠滅や逃走のおそれがある」として、全氏の拘束令状を発行しました。
捜査当局によりますと、全氏は去年1月、尹前大統領の拘束直後、支持者らがソウル西部地裁に押し入り、備品を破壊したり警察官に暴行を加えたりするようあおった疑いが持たれています。
警察は、全氏自身が直接暴力行為に関与していなくても、集会での発言や組織的・資金的支援を通じて行動を誘導していれば、「教唆犯」として処罰が可能だと判断しています。
また、宗教的信念を前面に出して支持者を心理的に支配し、側近や保守系ユーチューバーに資金を提供することで、デモ隊の暴力行為をあおったとみています。
この事件では、これまでに合わせて141人が起訴されています。
拘束前の被疑者審問で警察は、全氏が地域組織を運営していて、海外に逃走するおそれがあること、去年7月の家宅捜索直前に教会事務所のパソコンが交換されていたことなどを挙げ、証拠隠滅の可能性が高いと主張しました。
これに対し全氏は容疑を否認し、拘束令状審査の前に、「左派の大統領になったから私を拘束しようとしている」と反発しました。
サラン第一教会側も、政治的判断だとして強く反発しています。
全氏が拘束されるのは、今回で4回目となります。
2018年の第19代大統領選挙や2020年の第21回総選挙の前後に、公職選挙法違反の疑いで拘束と釈放を繰り返してきたほか、2020年の青瓦台前での暴力的デモに関する容疑では、逮捕状が却下された経緯があります。