朴正熙(パク・チョンヒ)政権下で、北韓の指令を受けて「統一革命党」の再建を図っているとされて死刑が執行された故カン・ウルソンさんは、執行から50年を経て、再審で無罪を言い渡されました。
軍務員だったカンさんは1974年、北韓の指令を受けて、朝鮮労働党の地下組織とされた統一革命党を再建しようとしたという疑いで陸軍保安司令部に連行されて、拷問を受けた末に死刑判決を受け、1976年に刑が執行されました。
この事件では、当時の情報機関で、現在の国家情報院にあたる中央情報部による強圧的な捜査や証拠のねつ造が行われ、それが裁判での死刑判決につながったとされています。カンさん以外にも当時、この事件で実刑判決を受けたパク・キレさんなど4人について、最近になって無罪が言い渡されています。
カンさんの遺族は、2022年11月に再審を請求し、検察は去年10月、「原審では手続き上の真実が守られていなかった」として、無罪を求刑していました。
ソウル東部地方裁判所は、当時、カンさんを違法に拘束したまま作成された取り調べ調書など、違法な証拠に基づいて死刑が言い渡されたと判断しました。また、北韓で発行された論文を読んだだけで、反国家団体の活動を賛美し同調したと断定することはできないと説明し、国家保安法違反の罪に問われたカンさんの再審裁判で、無罪を宣告しました。
裁判所は判決後、「過去の誤りを正したとはいえ、取り返しのつかない被害が生じ、あまりにも遅すぎたという点に無力感を感じる」として、遺族に謝罪しました。
傍聴席にいた遺族は涙を拭い、無罪判決の直後に立ち上がって一礼し、感謝の意を伝えました。