アメリカの対外戦略の転換によって、韓半島の危機管理の負担が韓国に移り、南北の緊張が一段と高まるとの分析が示されました。
アメリカの北韓専門メディア「38ノース」は22日、韓半島問題のコンサルティング会社「ストラテジック・リンクス」の創設者、イ・サンス博士の寄稿文を通じて、こうした見方を伝えました。
イ博士は、かつてアメリカが「北韓の非核化」を自国戦略の主要目標として直接管理してきたのに対し、いまは北韓はインド太平洋戦略の中核的な関心対象ではなくなったと指摘しています。
トランプ政権が昨年末に公開した国家安全保障戦略(NSS)では、「非核化」に関する言及がなくなり、韓米の二国間外交文書や韓日米三か国の共同声明に限って言及される状況になっているということです。
その結果、北韓への抑止の責任が韓国や日本など地域の同盟国に移り、とくに韓国の負担が大きくなっていると分析しています。
イ博士は、こうしたアメリカの戦略転換は、北韓にとって行動の余地を広げ、韓国への圧力を強めるほど戦略的な利益が得られると考えさせる要因になっていると指摘しました。
実際に北韓は、ここ数年、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の公式演説や法律の制定などを通じて、南北関係を「敵対的来な関係」と位置づけてきました。
イ博士は、北韓が今後、韓国国内で政治的な緊張を引き起こすことに力を入れる可能性が高いとみています。とくに、韓半島西の海、西海(ソヘ)上の軍事境界線にあたる北方限界線や韓国の防空識別圏で挑発行為に出るおそれがあると予測しています。