日本による植民地時代の徴用問題をめぐって、被害者と遺族が三菱重工業を相手取って起こした損害賠償訴訟の控訴審で、一部勝訴の判決が言い渡されました。2019年の集団訴訟提起から6年9か月で、2審で初めて請求の一部が認められました。
光州(クァンジュ)高等裁判所によりますと、光州と全羅南道(チョンラナムド)の被害者と遺族14人は、日本の植民地時代に強制動員され、名古屋の航空機製作所などで強制労働を強いられたと訴えてきました。
しかし、唯一の生存被害者が1審判決前に死亡し、証拠の確保が困難になったうえ、被害体験を語る証言が十分でなかった上、被告側が責任を否定する主張を続けたため、裁判は難航しました。また、訴状の日本への送達が遅れたこともあり、審理は長期化しました。
1審では被害の事実を一部認め、被害者1人当たりの慰謝料を1億ウォン(約1080万円)と算定し、遺族には相続分に応じた額を支払うよう命じました。控訴審でもこの判断が維持されました。ただ、実際の賠償が実現する見通しは立っていません。
この訴訟は、2018年に最高裁にあたる大法院が、日本企業の賠償責任を認める確定判決を下したことを受けて起こされた集団訴訟の一つです。光州や全羅南道地域では現在も、複数の集団訴訟が1審と2審で係争中です。
また、この大法院の確定判決でも、損害賠償を求める強制執行は行われておらず、韓国政府の外交的配慮のなかで、日本企業の資産売却手続きが遅れていて、国内では批判の声が続いています。
原告側は、被害者や遺族が高齢であることから、これ以上の遅れは許されないと訴え、「韓国政府が日本政府や企業に左右されることなく、正義にかなった判決が実現するよう積極的に対応すべきだ」と強調しました。