尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の妻の金建希(キム・ゴニ)被告の1審判決公判が開かれ、裁判所は、旧統一教会から金品を違法に授受した罪で、懲役1年8か月の実刑判決を言い渡しました。
ソウル中央地方裁判所は28日午後、特定犯罪加重処罰法上のあっせん収賄罪を有罪と認め、金被告に対し、懲役1年8か月と追徴金1281万5000ウォンの判決を言い渡しました。
裁判所は、旧統一教会=世界平和統一家庭連合が、請託とともに高額なハンドバッグなどの物品を渡し、金被告がこれを受け取った事実が認められると判断しました。
受け取った物品については、没収が困難なため、その相当額を追徴するとしています。
また裁判所は、「被告は大統領の配偶者という地位を私的利益のために利用した」としたうえで、「請託と結び付いた高額なぜいたく品を受け取った責任は軽くない」と指摘しました。
今回の判決で裁判所は、金被告が公式な公職には就いていなかったものの、大統領の配偶者として相当な公的影響力を持つ立場にあったと判断しました。
そのうえで、公職者でなくても、権力の周辺にいる人物が請託を受けた場合には、刑事責任を問うことができるとの考えを明確にしました。
特別検察チームは、先の最終弁論で、金被告に対し、懲役15年、罰金20億ウォン、追徴金およそ9億4800万ウォンを求刑していて、今回の判決は、これに比べて大幅に軽い量刑となりました。
一方で、あわせて起訴されていた、輸入車ディーラー「ドイツ・モーターズ」の株価操作疑惑に関与したとする資本市場法違反の罪と、政治ブローカーから世論調査結果を無償で受け取ったとする政治資金法違反の罪については、いずれも無罪と判断しました。
一方、尹錫悦前大統領は、捜査当局による身柄確保を妨害した罪で、今月16日に懲役15年の実刑判決を受け、すでに服役しています。
前大統領の夫婦が同時に実刑判決を受けるのは、韓国では前例のない事態です。
検察は、いわゆる「三大特別検察」による起訴で、尹前大統領夫妻について、複数の1審裁判を残しています。
なお、尹前大統領が死刑を求刑されている内乱首謀罪についての判決は、来月19日に言い渡される予定です。