韓国政府が、南北の軍事境界線を挟む非武装地帯への非軍事的な出入りを法律で管理しようとしていることについて、国連軍司令部は、停戦協定に正面から違反するとして反対の立場を示しました。
国連軍司令部は28日、韓国国会で審議が進められている「非武装地帯の平和的利用支援に関する法律」について、停戦協定との共存は難しいとして、反対の立場を明らかにしました。
この法案は、観光や環境調査などの非軍事的目的に限って、非武装地帯への立ち入りを韓国政府が承認できるようにすることを柱としています。
国連軍司令部は、法律が施行されれば、非武装地帯への出入りをめぐる国連軍司令官の決定権が否定されることになり、事実上、韓国政府が停戦協定の枠組みから離脱するのと同じだと主張しました。
また、停戦協定の本文と1954年の合意に基づき、非武装地帯と軍事境界線周辺で行われる、民間人も含めたすべての活動を管理する責任は、国連軍司令官にあるとしています。
これに対し、韓国政府は、停戦協定において、国連軍司令部の権限は軍事面に関わる部分に限られるとして、平和的な目的での非武装地帯利用まで管轄するのは行き過ぎだという立場です。
鄭東泳(チョン・ドンヨン)統一部長官は、最近、非武装地帯に造成された散策路「DMZ平和の道」の一部の区間を再開放する方針を明らかにしていました。
韓国駐留アメリカ軍の司令官が国連軍司令官を兼ねていることから、今回の問題が、韓米の軍事協力にも影響する可能性があるという指摘も出ています。
政府は、国連軍司令部との協議を続けていく考えを示しています。