アメリカのトランプ政権が、去年から保留してきた「北韓向け人道支援事業」の制裁免除を承認したことが分かりました。今回の決定を受けて、停滞が続いてきた米朝交渉や南北対話の再開につながるのではないかと、関係者の間で期待の声が出ています。
複数の政府関係筋が6日、明らかにしたところによりますと、トランプ政権は、国連安全保障理事会傘下の対北韓制裁委員会がこれまで保留していた北韓に対する制裁免除措置を実施することを決めました。アメリカを訪問中の趙顕(チョ・ヒョン)外交部長官が、アメリカ側に制裁免除の必要性を説明し、アメリカが受け入れたということです。
対北韓制裁委員会は、国連の安保理決議に基づいて設置され、北韓に対する制裁の履行状況を監督する機関で、人道目的に限っては、制裁の例外を認めてきました。そのため、韓国の非政府組織(NGO)などは、医薬品や保健関連物資などの人道支援を目的として、制裁免除を申請してきました。
しかし、この委員会は全会一致での合意が必要なため、アメリカが去年から「人道支援物資が軍事目的などに転用される恐れがある」として審査に慎重な姿勢を示し、事実上、審査が中断していました。
今回の決定をめぐっては、ことし4月に予定されるトランプ大統領の中国訪問を前に、米朝関係の改善に向けた「呼び水」として、北韓向け人道支援を容認したとの分析も出ています。
現在、世界保健機関(WHO)やユニセフなどの国際機関のほか、韓国国内のNGO、さらに京畿道による対北韓支援事業3件を含む、あわせて17の団体が、北韓への人道支援の許可を申請しています。
一方、北韓は、新型コロナウイルス感染症のパンデミック以降、外部との接触を断ち、人道支援も受け入れていません。そのため、北韓が支援を受け入れ、人道支援が実行につながり、対話の糸口が開かれるかどうかは、今後見守る必要があるとの見方も出ています。
韓国外交部の当局者は、「政府はこれまで一貫して北韓への人道支援を推進してきた」としたうえで、「国連の対北韓制裁委員会で全会一致の合意が得られ、制約がなくなったことから、北韓が支援を受け入れることを期待している」と述べました。