1980年5月、全羅南道(チョンラナムド)光州(クァンジュ)で起きた「5・18民主化運動」をめぐり、故・全斗煥(チョン・ドゥファン)元大統領の回顧録で事実が歪曲されたとして争われていた民事裁判で、最高裁にあたる大法院は全元大統領側の賠償責任を認めた2審の判断を確定させました。提訴から9年を経ての最終判断です。
大法院は、12日午前、「5・18記念財団」など4つの団体とカトリック司祭の故チョ・ビオ神父の甥、チョ・ヨンデ神父が、全元大統領とその息子、全宰国(チョン・ジェグク)氏を相手取って起こした損害賠償請求訴訟で、、名誉を毀損したとして原告の一部勝訴を認めた2審判決を維持しました。
大法院は、回顧録の一部の表現が虚偽の事実にあたり、その結果、関連団体の社会的評価が損なわれたと判断しました。
とくに、当時の戒厳軍によるヘリコプターからの射撃を目撃したと証言していたチョ神父を侮辱的に表現した部分については、遺族の感情も傷つけたと指摘しました。
大法院は、全元大統領の妻の李順子(イ・スンジャ)氏と長男の全宰国氏は、関連団体にそれぞれ1500万ウォン、チョ神父の遺族に1000万ウォンなど、あわせて7000万ウォンの賠償を命じました。
また、裁判所が虚偽と認定した表現を削除しない場合、回顧録の出版と配布も禁止されます。
問題となった内容には、保守派の一部が主張してきた北韓軍の介入説や、戒厳軍によるヘリコプター射撃の否定、戒厳軍が自衛権の範囲で銃器を使用したという主張などが含まれていました。
1審と2審に続き大法院も客観的な根拠がない虚偽と判断し、全元大統領の回顧録をめぐる法的争いは終結しました。