北韓への融和政策を掲げている李在明(イ・ジェミョン)政権が、尹錫悦(ユン・ソンニョル)前政権下で行われた北韓への無人機侵入について初めて遺憾の意を表明しました。
鄭東泳(チョン・ドンヨン)統一部長官は18日、ソウルの政府庁舎で記者会見し、「前政権の無謀な軍事的行為ではあったが、現政権の統一部長官として北韓側に深い遺憾の意を表する」と述べました。
尹前政権では、平壌に無人機を送り、北韓との緊張を高めることで「非常戒厳」宣言の名分作りを狙った可能性があるとされています。
また鄭長官は、現政権になってから発生した民間人による無人機の北韓侵入事件についても、「厳重に受け止めており、公式に遺憾の意を表明する」と強調しました。
鄭長官はこの日、李大統領が去年6月に就任して以降、民間人3人がこれまで知られていた2回ではなく、4回にわたって無人機を北韓に飛来させたとする、警察と軍による調査結果も明らかにしました。この3人は、航空保安法違反などの疑いで捜査を受けており、このほかにも、韓国軍の情報機関と国家情報院の職員数名も、3人への関与をめぐって調査対象となっています。
鄭長官は、旧正月連休中にもかかわらず異例の立場表明を行いましたが、これは、北韓が、韓国からの無人機が自らの領空に侵入したと激しく反発していることを踏まえた対応とみられています。
これに先立ち、北韓の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記の妹、金与正(キム・ヨジョン)党副部長は13日、韓国当局は「挑発的な主権侵害の再発」を防ぐ措置を取るべきだと主張しています。
これを受け、鄭長官は、今回の記者会見で、再発防止策も発表しました。航空安全法を改正し、未承認の無人機飛行に対する処罰を、現行の500万ウォン以下の罰金から、1年以下の懲役、または1000万ウォン以下の罰金へと強化する方針だと明らかにしました。
また、無人機を北韓に飛ばす行為など軍事的緊張を高める行為を禁じるよう、法改正を進める方針を示しました。さらに、南北の接境地域にある自治体と協議体を設け、北韓へのビラ散布や無人機問題への予防も強化するとしています。
あわせて政府は、2018年9月に平壌で採択された「9.19南北軍事合意」の復元を先制的に検討する方針を明らかにしました。
この合意は、南北の軍事境界線周辺に飛行禁止区域を設定し、偶発的衝突を防ぐことなどを柱とするものです。合意が復元された場合、無人機の飛行は軍事境界線を基準に東部15キロ、西部10キロ以内で制限されることになります。
「9.19南北軍事合意」について、鄭長官は「政府の方針はすでに定まっている」と述べ、関係省庁との協議も終えたと説明しました。ただ、具体的な発表時期については今後明らかにするとしています。