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社会

請求権協定 不法行為に対する賠償は含まれない

Write: 2018-10-31 14:42:00Update: 2018-10-31 14:45:15

請求権協定 不法行為に対する賠償は含まれない

Photo : KBS News

韓国の最高裁判所にあたる大法院が日本の植民地時代に強制徴用された元徴用工の個人請求権を認め、新日鉄住金に賠償を命じる判決を下したことについて、日本政府は反発しました。
安倍晋三首相は30日、衆院本会議で「1965年の日韓請求権協定で、完全かつ最終的に解決しており、国際法に照らしてありえない判断」と述べました。
また、河野太郎外相は、韓国政府として毅然(きぜん)とした対応を取るよう求めるとしたうえで、国際司法裁判所への提訴を含め、あらゆることを視野に入れた対応をせざるを得ないと述べました。
そのうえで、今回の判決は日本企業に不当な不利益を負わせるもので、日本政府は今回の判決を受け入れらないとしました。
安倍晋三首相は、この問題が1965年の請求権協定で最終的に解決したとしましたが、当時の請求権協定を見ますと、日本が韓国に対して3億ドルを無償で提供し、2億ドルの借款を供与することで、両締約国国民間の請求問題が完全かつ最終的に解決されたとしています。
ただ、請求権については、「強制動員という不法行為に対するものではなく、韓国人に対する未払い賃金や補償金を意味する」とも記載されています。
つまり、完全かつ最終的に解決された請求権問題は、韓国人に対する未払い賃金や補償金の問題であり、不法行為に対する賠償金や慰謝料を含むものではないということです。
大法院はこうした理由を挙げて、韓日請求権協定で不法行為に対する慰謝料の請求権は含まれていないとの判断を示しました。
また、河野太郎外相は国際司法裁判所への提訴を示唆しましたが、提訴は当事国間の合意が必要で、韓国政府が同意しなければ提訴するのは不可能です。
さらに、日本政府は賠償決定を受け入れられないとしていますが、今回の判決は日本政府ではなく新日鉄住金に賠償を命じたもので、新日鉄住金の韓国内の資産を差し押さえることも可能です。
新日鉄住金は韓国の製鉄大手POSCOの株を保有していて、持分率は3.32%です。
ただ、これらの株式はアメリカ系ファンドを介して保有しており、これを新日鉄住金の財産と見ることができるかは、法的な判断が必要との指摘もあります。



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