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経済

福島県などの水産物輸入禁止めぐるWTOの最終判断 韓国が逆転勝訴

Write: 2019-04-12 13:37:08Update: 2019-04-17 09:11:42

Photo : KBS News

韓国が福島県など東日本の水産物の輸入を禁止していることについて、日本がWTO=世界貿易機関に提訴していた問題で、WTOの上級委員会が韓国側に是正を求めた第1審にあたる小委員会の判断を取り消すとした報告書を公表しました。韓国の主張が受け入れられ、事実上、逆転勝訴した形となりました。
韓国は2011年、東京電力福島第一原発事故を受け、福島県とその近隣で生産された農水産物の輸入を禁止し、2013年には福島県など東日本8県の水産物輸入禁止に関する特別措置を発表しました。
また日本産食品から微量でもセシウムが検出された場合、プルトニウムなどほかの17種類の放射性物質に関する検査証明書を提出するよう日本に求めていました。
日本は2015年5月、韓国の特別措置が日本の水産物を差別する行為であり、農水産物に対する追加検査の要求も不当だとして、WTOに提訴しました。
WTOの紛争処理小委員会は去年2月22日の第1審で、韓国が福島周辺8県の28種の水産物に対し包括的に輸入を禁止していることや、2011年と2013年に韓国が日本に追加検査を要求したことについて、WTOが定めた衛生と植物検疫のための措置、いわゆるSPS協定に反するものだと判断しました。
これを受けて韓国政府は、協定違反と指摘された部分について韓国側の主張の根拠を補強し、去年4月9日、上級委員会に上訴しています。
WTOの上級委員会はこの判決にあたる最終審査の結果報告書を12日午前、公表し、小委員会の判断には誤りがあるとして、これを取り消すとした判断を示しました。
小委員会は去年、こうした措置が「必要以上に貿易制限的で、不当な差別だ」と判断しましたが、上級委員会は、こうした判定を覆し、韓国の措置を妥当だと最終判断しました。
またWTOの紛争処理小委員会が、セシウム検査だけでも適正な保護水準を達成することができるにもかかわらず、ほかの放射性物質に関する検査証明書を要求した措置は、貿易制限だと判断していたのに対し、 上級委員会は過度な措置ではないとし、小委員会の判断を取り消し、 ました。
WTOの上級委員会が SPS協定に関する提訴で、小委員会の判断を覆したのは今回が初めてです。
産業通商資源部の関係者は、「第1審では、日本の環境の有害性だけを立証したが、上訴では、環境が食品に及ぼす影響を立証し、これが功を奏した」と説明しています。
WTOの上級委員会は、韓国が輸入禁止に関する情報を詳細に公開しなかったことは問題だと指摘しました。
一方、韓国政府は12日午前、WTO上級委員会の報告書の公表を受けて、これを歓迎するとし、福島県など東日本の水産物の輸入禁止措置を維持する方針を明らかにしました。
また日本産食品から微量でもセシウムが検出された場合、プルトニウムなどほかの17種類の放射性物質に関する検査証明書を提出するよう、引き続き日本側に求めていくとしました。

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