北韓の開城(ケソン)にある高麗時代の王宮遺跡「満月台」の南北共同発掘について、国連安全保障理事会が北韓への装備の持ち出しを制裁の例外として認めました。
「満月台」は、919年に建設され、1361年に全焼した、高麗時代の王宮遺跡で、 2013年に世界遺産に登録された「開城の歴史的建造物と遺跡」の一部になっています。
外交筋によりますと、安保理の北韓制裁委員会は現地時間の16日午後、「満月台」の南北共同発掘のため、韓国政府が申請した北韓への装備の持ち出しについて、制裁の例外として認定したということです。
南北協力事業について、期限付きで制裁の例外を認めたもので、これまで非核化交渉や人道支援に限られていた制裁の免除が、南北の文化財関連事業にまで広がったことを意味します。
これに先立ち韓国政府は先月、アメリカ・ワシントンで韓米作業部会の会議を開き、「満月台」の南北共同発掘事業に対する制裁免除をめぐる事前協議を行っています。
南北は2007年から去年10月まで8回にわたって、「満月台」の共同発掘調査を行い、あわせて3万3000平方メートルの面積のうち、これまでに1万9000平方メートルを調査し、39棟の建物跡や階段2か所、1万6500点あまりの遺物を発掘しています。
北韓制裁委員会は先月、南北離散家族の再会のため北韓への装備の持ち出しについても制裁の例外として認めています。